海へ。(2)


GWは一日一日ゆっくりと、そして丁寧に過ごしていたいと思っていました。
それは家族との時間であったり、ひとりのひとときだったり。

5月5日
車庫の中で準備します。
カメラにフィルムを装填し、シャッタ-を切ってフィルムを巻き上げる。
カウンタ-の数字が0になったのを確かめます。
外は晴れ、光が明るいです。

車庫から外へ。
シートに腰を下ろし、遠く低いハンドルに手を伸ばします。
日常的ではないこのポジションに、自分にとって特別な時間の始まりをいつも感じたりです。

街の外へ出るのは久しぶりです。国道275の広い直線を淡々と走りながら、
スポルトで走っていることを噛み締めていました。

何もかもを街に置いてきて、前にだけ進もう。そう思っていたのですが、
不意に気になってたことを頭の中で思い出してしまって、走りながら考えたり。
GWは無になっていたかったのですが、中々そうはなれない自分に、自分で疲れます。

道道527にスイッチして、旋回の動きを確かめて行きます。
半年振りですから今日は丁寧に確認だけ。

路肩に寄せエンジンを切り、ひと休みすることにしました。
頭から離れないことが消えずに残っていました。それを引きずりながら走り続けたくなかったからです。
でも今年一年はずっとそんな年になる気がしています。
カメラを手に歩いてみることにしました。




歩き始めると、すっと心が落ち着くのが分かりました。
視野が広がり、まわりがよく聞こえる、胸の中に風がよく通ります。
久しぶりにこの感覚を感じた気がします。
道の上を歩いて自分をリセット出来た気がします。

手ぶらで散歩するのは何だか落ち着きませんが、
カメラを手に散歩するのは不思議と落ち着きます。
この違いって何でしょう、、

そのまま歩いて橋の上まで。
欄干にもたれ掛かって、目の前の風景を眺めていました。
何も考えてはいませんでした。
ただ風に吹かれているだけです。




MCで走ることは、いつもでも楽しく気持ち良い。
そればかりではなかった気もします。
走ったり、立ち止まったり、時には歩いてみたり。
静かな気持ちになってみたり、色々を受け入れてみたり。








海へ。

MCから離れ、遠くからただ眺めているだけの時間が好きです。
時間だけが過ぎて行きます。
何も考えず、頭を使わず、ぼんやりしているだけです。






春の海を眺めたり、空の様子を見上げてみたり。
何となくカメラのシャッタ-を切ってみたり。

風景を撮るというよりも、このカメラとの時間が心地よかった気がします。
写真を撮る為のただの道具かも知れませんが、MCと同じようにただの道具とは思えないものもあったりです。



 
フィルムの現像を終えてから、毎日少しづつ書いていました。
写真を見ていると、不思議とそのときの気持ちが蘇るのを感じていました。

コメント

  1. すべてを置き去りに、走り抜けようとするけれど、振り切れない。逃げ切れない。…という感覚は、私の場合、ほぼ常に走りに携わっているように感じます。
    今日も走りながら気がついたら仕事のことをあれこれ考えていて、苦笑いしてしまいました。
    それでも、走りながら嫌なスパイラルにははまらないのが、大きな救いになっている感じです。
    頭にこびりついた仕事を、忘れている瞬間もあって、やっぱり走りに出てよかったと思うこともしばしばです。
    逃げ切れないとしても、ライディングを必要としている。
    私はそんな人間のようです。

    3枚目の写真、緑の若芽が美しく、スポルトが遠くで小さくかしいでいるのも、とてもいいですね。
    ああ、selenさんの写真だ、selenさんの走りだ…と思います。

    返信削除
    返信
    1. 樹生さん、こんばんは。
      2022年のシーズンインは、晴れやかな気持ちでスタ-トしたいと思っていました。
      それまでの数日間だけは、敢えて今年これから一年の仕事のことを考えないように務めていました。
      それでも、ふと一人になる時間があると家の中で閉塞感に包まれ、
      外の空気を吸ってみたくなります。
      走り出したからと言って背中の向こうに置き去りに出来るものでもなく、
      やはり一人の時間には付いてくるのですが、来年の春はそんなシ-ズンインの年もあったよな、位に思えるようになっていたいです。
      自分が来春そうなっていたいから、きっと走りながら、立ち止まりながら、
      今年もそうして走っているかもです。

      「やっぱり走りに出てよかったと思うこともしばしばです。」
      そして、走ることを知っていて良かった。
      つくづく自分もそう思います。

      削除

コメントを投稿